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タイ バンコク AM9:50
「ママー怖いよ」
今から手術を受けようとしているのか、搬送されるベッドの上、泣きながら母親の手に縋り付く目がクリクリの可愛い男の子。
ここは
チャールズ・アイスマン記念こども病院。
オペ室へと向かう廊下。
母親は子供の手をギュッと握りしめ
優しく頭を撫でながら諭すように言った。
『いい?ここの先生はとても優秀な先生なの。だから絶対に大丈夫だよ。それにね?この病院には神様がいるの』
「神様?」
『そうよ。神様が絶対にあなたを守って下さるわ』
そう言ってニッコリと笑う母親。子供もその笑顔を見て安心したのか、次第に強張った表情を緩める。
そして母親は子供に見せるように壁を指差した。
『ほら、手術が成功するようにあなたも祈って…』
「うん」
その母親の指の向こう…
そこには壁に埋め込まれ
特殊なセキュリティの基に展示されている……
「幻の12弦ギター」が…
キラキラと輝いていた…
【完結】
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