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「日本人でも、…貴女は特に美しい…大和撫子と呼ぶべきか」
意識のない美佐を抱き留め、傘を手放し美佐を抱き留めたまま器用に上着を脱ぎ美佐に被せた。
「……………それだけじゃない…キミは」
「…………何をしている」
ずぶ濡れの宮が明らかな殺気を漂わせ、男に近づいてきた。
「大和撫子を抱き締めている。」
「その娘はキミのじゃない、僕の美佐だ」
「!!…ミサ…!?」
男は素早く宮に美佐を渡した。そして、一言呟く。
「…人殺しの子か…」
「………何を知っている?」
男は宮の問いには答えなかった。
「契約は果たそう。主人。」
そう残して、歩いていった。
男と入れ違いで…また別の男が此方に向かってきた。
「宮様!美佐様!お探ししておりました!!」
「牧…か…」
「はい…宮様、美佐様は…?」
「気を失っているだけだ。話は後だ。車を出せ美佐が風邪を引いてしまう。」
「ハッ」
雨は降りやまない。
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