さよなら

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あの雨の日。美佐が目を覚ますことはなく、ただずっと眠っていた… そして次の日 「ん、」 「おはようございます、美佐様」 美佐が目を覚ますとベッドの横に見知らぬスーツ姿の男が立っていた。 「だれ…?」 「はいワタクシは牧、と申します。宮様の部下であります」 「宮、のっ」 その言葉に美佐は体を強ばらせ警戒した。 「安心ください宮様は仕事に向かわれました。」 「な、なら、ここに居る必要はないじゃないですか」 宮が居ないという事に少し警戒を解いたが、完全には解いてはなかった。 その些細な自分に対する警戒心が牧にはあまりにも愛らしく思えた。 「クス…っ」 「なんで、笑うのよ!」 「いえ、すみません」 まだ小さく笑っている牧。 少しずつ警戒が解けていく美佐。 「あの…」 おずおずと美佐が牧に話しかける。 「はい、なんでしょうか?」 スっと女性が安心してしまいそうな柔らかい微笑みで返した牧に、少なからず好感が持てた。 「……美佐様?」 「あ、えと、だから!どうして貴方がここに残ったの!?」 「ワタクシは宮様から手紙と契約書、そして伝言を託されました。」 「……」 いつも必要以上にどんな些細なコトだろうと、自ら美佐に会いに来ていた宮。 宮はいくら信頼していた部下だろうとも伝言なんて一度も任せた事はなかった。 「どうして、」 「ワタクシは幼い頃から宮様付きの部下でございます」 「そうなんですか…」 、
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