秘密

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どれ位の時間2人でそうしていただろうか 会話もなく ただただ続く沈黙 確か… “沈黙を楽しめる様になったらそれは素敵なコトだ” と高校の恩師が言っていたが、僕にはまだまだ無理そうだ 『椎名…僕、ずっと前から居場所を探してるんだ。親兄弟は離れて過ごしてる…だけど早く一人前に成りたくて』 少し息継ぎをしてすぐ続けた 椎名は黙って聴いてくれている 『今まで、はっきり言って、したいコトも見つからない。 これといった趣味も無い。 友達も…本当の…親友と呼べる友達も居ない。 だから、椎名が僕のコトを強引に雇うって言った時は驚いたけど…ホントは少し嬉しかった。 僕を必要として、僕自身を見てくれてるって話をしている内に解ってきたから』 一気に沈黙を破った
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