恨みは涙となり

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城の中に入ると そこは天使だらけで 人間の私を痛い位の視線で見てくる 人間の私が ここに居てもいいのだろうか… 随分と奥に連れて来られた気がする 大きな扉が目の前にある 「こっからはマジで行くよ…?」 「ま…マジですか…」 ゴクリと喉の音が静かな長い廊下に響いた 扉に手を掛け 思い切り押した ギギギィ…と重く古い音をたてながら 扉は開かれた 中からは圧倒的威圧感 少しでも声を出してはいけなく感じさせる静寂 溢れる眩い光 目をちゃんと開けて見てみると 中は天井も高く 広かった その部屋に椅子と机とがポツンとあった 寂しい風景の中心に居るのは 椅子に座り 机に肘を付き 頬杖をついて眠っている1人の美少女 美少女の顔には薄い茶色の前髪が垂れていた まるで 人形のような その美少女が私達に気付いたのか ゆっくりと瞳を開いた その直後 いきなり肘をずらしてしまい 思い切り机に頭を打った 何だ この美少女は
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