268人が本棚に入れています
本棚に追加
それからマネージャーに連れられて楽屋についた。
「つよぉ…」
どないした?
急にえらい落ち出した。
「ん?」
話し掛けられ自然に向かい合う僕ら。
僕の手をぎゅってしてポツンと僕の肩に頭を預けた光一。
僕もナーバスになってるけど、僕はまだ大丈夫。やけど光一…無意識に震えてる。
緊張しすぎや。
怖いんやなくて不安やから、強く見えて脆い光一にはすごい圧力かかってるんやろう。
テレビに映る僕らは逆な感じに受け取られてるみたいやけど、光一無理しとるの僕にはわかる。
ポーカーフェースをうまくこなしてるだけ。
「…がんばろな…」
そして精一杯の前向きな言葉。深くは聞かず、僕は頷いて光一の手を引いて楽屋に入ろうとした時やった。
「ぁ、お疲れっ!」
「お疲れ様です」
とそばにいたマネージャーが声のした方に頭を下げた。
僕も光一も誰かわからないまま頭下げた。
人見知りの激しい光一。
僕の手を握ってる手にさらに力がこもった。
最初のコメントを投稿しよう!