第二鬱「一○五の代償」

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捨てるのも気に障るのでミルクデニッシュは食ってやった。 「さて、俺も食おっかなぁ」 弟がコンビニ製苺大福に手を伸ばした。 「ちょっと持て」 「んあ?」 弟は今まさに大福を口に放り込もうとしていた。 「テレビテレビ」 「あ~………」 食べようとした態勢のまま、大口を開けてテレビに見入っていた。『別のニュースです。他にも食品問題です………〇〇フーズの事故米の一部が、食用として転売されていた問題で、新たに大福や赤飯などとして………』 そこには弟の食べてようとしていた大福の製造会社の名前があった。 「だってさ」 笑いを堪えながら弟を見た。 「んむ」 なんと、弟は何事も無かったかのように大福を至高の笑顔で頬張っていた。……さすがサル。 「うぇふに、ほんはお、ひにひあい(別にそんなの気にしない)」あんたは食えたら全部同じですもんね。 それだけは感心しますよ、糸吉さん。 ………なんか吹っ切れた。牛乳もきにしないでいよう。
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