第二章

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俺は、バイト先で知り合ったヤクザの幹部に誘われたんだ。 「お前のその目が気に入った。」 とか訳のわからないことを言われて。 俺には怖いものなんてなかったから、 そこを買われたわけだけど。 最初の頃は、バイトをしながら事務所に通ったり、 入れ墨もその頃入れた。 筋堀りだけね。 でも、それをバイト先の店長に見つかって、 クビになったのさ。 その話を聞いた望乃が……、 泣いて俺を止めて、 店長にも詰め寄ったらしい。 「輝をクビにしないでほしい。」って。 店長は話を聞いてはくれなかったみたいだけど、 望乃は俺に怒りをぶつけてきた。 ヤクザになった俺に、変わらず接してくれたのは、 昔からの連れではなく、望乃だけだったよ。
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