第二章

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たった15分間の為に、わざわざ仕事早退して。 あぁ、接見てさぁ、 平日の5時までしか認めてないわけね。 1日しかも二組まで。 毎日の様に組の連中が来てたから、 望乃は俺に逢えて運が良かったんだよ。 でも……、 望乃の顔を見た瞬間に俺、泣きそうになった。 望乃は涙なんか俺には見せなかったけど、俺、 望乃が何だか切なくて。 本当に早くここを出たいって、少しだけ反省したんだよ。 それに、俺に逢いに来てくれたのは、 組の連中以外に望乃しかいなかったんだ。 みんな俺から遠ざかって行ったからなぁ。 望乃は、俺が釈放されるまでの間に、五回も来てくれたんだ。
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