第二章

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望乃だけは、こんな俺から離れて行かなかった。 それが有り難くて、 いつしか俺の中に、 『愛おしい』って感情が芽生えたんだ。 俺は執行猶予付きで釈放され、 組の連中にお祝いされた後すぐ、望乃に連絡した。 「飯食いに行こう!」 って。 それで一週間後に、望乃を迎えに行った。 ちょうど今から二年前の冬。 まだ外は雪が降っていて、 震える望乃の体を俺があの日、温めたんだ。
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