小さな小屋

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「ここは一体……」 僕は一体どういう経緯をへてここに来ているんだろうか? しばらく考えてみたが全く思い出せず突っ立ていたら、小屋から僕と同じか少し上くらいの青年が出てきた。 「君は一体どうしてここにいるんだい?こんな何も無いところに、見たところ船頭さんではないみたいだけど……」 「えっ?…いや僕は気が付いたらここにいて、ここはどこですか?」 青年は考えるような仕草をしてから思い立ったかのように顔を上げ、何か納得したようか顔になった。 「あぁ、そうだったのか。時々そういうのがたまにこっちにも来ることを忘れていたよ…大概は川なり花畑なりに行くからね、まぁとりあえず小屋にでも入ろうか……」 僕の質問には答えられてないんだけど天然なんだろうか? 「制限時間は72時間だから、ゆっくり考えればいいよ……」 一体何が?主語を付けてくれよ主語を…とりあえず僕は適等に「はぁ」と返事をした。 部屋の中はごく普通なのだが、最低限度の物しか置いてなくて少し違和感を覚えた。 「とりあえずそこら辺の椅子にでも座っていいよ、俺は飲み物を汲んでくるけど何がいい?」 「えっと、紅茶のストレートでお願いします」 「ダージリンしかないけど大丈夫?」 「えっ?あ、大丈夫です」 しかし一体だぁじりんって何だろう? 「あの、だぁじりんって何のことですか?」 「ダージリンは紅茶の種類だよ」 紅茶に種類なんてあったのか……なんて事を思いながら青年の後姿を眺めていた。
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