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「ママ!あっち!」
最大級に手がかかる、愛しいオトコがあたしを呼んだ。
日だまりみたいな笑顔にまた騙される。
「寝てる時が一番カワイイよねぇ。」
もう十年来の付き合いになるエミチャンが、小さなやんちゃ娘を抱えながらため息まじりに笑った。
…そう。
あの頃はエミチャンの第一子が、まだ息子と変わらない年齢で…
今はその娘が息子のお守りをしてくれる年齢になった。
十年。
充分に長い時間。
結婚して、出産もして…あたしも変わった。
なのに何故…色褪せない気持ちがここにあるの?
あたしは充分幸せなのに。
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