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…今日もう何度目かわからない携帯チェックをした。
やっぱり彼からのコールはない。
あんな事言うつもりはなかったのに。
ちょっとした意地だったんだ。
本当なら今頃、お酒でも飲んで彼の暖かい胸で眠れるはずだったのに…無機質な着信音。
少し眉を寄せて、固い口調で話し出す彼。
「仕事が…」
…聞き慣れた言い訳で繰り返されるキャンセル。
楽しみにしていた分…哀しくて言っちゃいけないセリフを吐いた。
メール問い合わせ。
…妙に冷たく感じる『受信メールはありません』の文字。
がしゃん。
イラついて携帯を乱暴に放り出した。こんなモノなくなっちゃえばいい。
携帯さえ鳴り出さなければ、彼の時間はあたしのモノだったのに。
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