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なんだか目覚めきらないカラダを引きずってリビングに降りると、母親とは違う女性の声。
「もう、お客様がいらしてるのにそんな格好で…」
…お客がいるなんて、知らなかったし。
挨拶をしようとして…カラダが動かなくなった。
「ミサトの同級生のお母様なのよ。保険の外交してらしてね。確か同じクラスだったんじゃないかしら?」
…目元が、似てる。
学校の行事で見かけた事もある。
…彼の、お母さんだ…
のどが張り付いてうまく声が出せない。
搾り出した声で必死のご挨拶。
夢だけだった彼への気持ちが突然現実味を帯びてきて…
なるべく不自然に見えないように取り繕うだけで精一杯だった。
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