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「触らないでよ！」
あたしはその人のことを
にらみつける。
「ねぇ、依子って誰？」
あたしは、さっき誰もいないと思って叫んだことを後悔した。
よりによって
こんないい加減そうでニヤついてる男に聞かれるなんて……
「まぁ、オレには関係ないか。」
「あのさ……」
「心配しなくても、誰にも言わないよ。こんな可愛い子が、屋上であんなこと言ってたなんてさ。」
「アンタだってタバコ吸ってたクセに！誰かに言われたら困るのは同じでしょ。」
「まぁね。でも言いたいなら言ってもいいけど…」
なんか、すっかり
相手のペースだった。
「あ、入学式始まるよ。」
そう言って
その人はあっという間に去って行った。
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