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「今の男の子、鳴海くん?あなたの彼氏?」
となりの席に座っている子に小声で声をかけられる。
「ううん……幼なじみ」
「なんだぁ、美男美女でお似合いだと思ったのに」
「大樹には、彼女がいるから…」
そう言うと
涙が出そうになった。
「あたし、藤井果歩(ふじいかほ)よろしくね。それにしてもあなたすっごい美人だねぇ!」
となりの子は
すごく笑顔であたしに話かけ続ける。
この子のおかげで
救われた気がする…
「あたしは、広瀬美花。よろしく」
「美花って…美しい花って書くんだね。ほんと名前のとおり育ってるってコトかぁ」
「ありがと…そんなふうに言ってくれて」
あたしは入学式の最中
ずっととなりの果歩と小声で話していると
沈んでいた気持ちが
少しずつ軽くなっていた。
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