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「…まさか、な」
由加の友達に、歩いてしゃべるウサギなどいなかったはずだ。
俺はブンブンっと頭を振り、嫌な思考を払った。
「と、とりあえず、きみはその由加ちゃんって子が好きなんだね?」
吃りながらぴょん吉が訊いてくる。
「ああ」
…由加の事が好きなんて、今まで誰にも言った事がなかったから少し恥ずかしい。
「そして由加ちゃんはもう死んでいる、と」
「…ああ」
「そっか…。」
と呟いたぴょん吉は、悲しそうな顔をしていた。
「…俺のせいなんだ」
「え?」
「俺のせいで―由加は死んだんだ」
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