罪なウサギ

3/12
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/117ページ
『きゃっ…ちょっと奏、止めてよもう!』 由加は怒ったような声で、けれど楽しそうに俺に抗議した。 『わりー。足が滑ってさあ』 と言いながら、俺はまたわざと由加に雪を蹴る。 『こらーっ!奏、もう許さな……―!?』 とうとう本格的に怒り出した由加が俺に向かってきた。 しかし、その声は途中で途切れ、由加の顔は青ざめていた。 どうしたんだろう、と思い由加に尋ねようとした時― プップッ―!! 『…え?』 後ろから、大型トラックが俺めがけて突進しようとしていた。 『奏――ッ!!』 もうダメだ、そう思った時俺の身体は横に投げ出されていた。 『!?』 一瞬何が起きたのか解らなかった。 でも、トラックに轢かれる由加を見た瞬間、俺は理解した。 …由加が自分を庇ったのだと。image=216213325.jpg
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!