18人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「…ン、メルランってば!!」
「……っ、んー、何?」
声のする方に顔をやれば、姉さんが訝しげに私を見ていた。
「何?じゃないわよ。どうしたのよボーっとしちゃって」
「あー、ゴメンゴメン。ちょっとね、考え事しててー」
「考え事?珍しいじゃん、いつも何も考えてなさそうな姉さんが」
姉さんとは逆側からリリカが言う。
「…リリカ、あんた私のこと馬鹿にしてるの?」
「本当のこと言ったまでじゃん。それにメルラン姉さん言ってたじゃん、『人のテンションを上げようと思ったら、少しぐらいアレになった方がいい』って」
「それはあの天狗が取材に来たときに分かり易く説明しただけのことで、別に私がアレなわけじゃないわよ」
「ふーん。じゃあとりあえずそういうことにしておくよ」
そう言って、リリカもそれ以上は突っ込んでは来なかった。
「なーんか釈然としないわねぇ…」
最初のコメントを投稿しよう!