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逸る気持ちを押さえ込みつつ、私はあの日の場所へ向かった。
・・ ・・
あの日、あれが──あの人間が居た場所へ。
此処─太陽の畑─は人間の里からは距離がある。にも関わらず此処に居たということは何か理由があってのことだろう、と思う。
たしかに今は大量の向日葵が咲き誇り、此処を訪れる人間がいるということは知っている。だが同時にこの場所は妖精達の日光浴の場でもあり、人間には危険が伴うはずだ──
そんなことを思いながら、夏の陽射しを一杯に浴び、鮮やかな黄を振り撒く向日葵に彩られた道を行くと、少しばかり開けた場所に出て──
はたして人間は其処に居た。
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