第1章 “出逢い”

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 サヤは、じっと外を眺めている。  小さい頃からサヤは、白馬に乗った王子様が、あの大きな黒い門から入ってきて、自分を迎えに来てくれることを想像していた。  今もそれは、変わらないまま想像をしている。  カチャリ。  セフィリアがお盆にスープを乗せて入ってきた。  暖かい湯気が立ち、美味しそうな匂いが辺りに漂う。  「いつか来るわよね。」  ポツリとサヤが言った。  いつも同じ質問だ。  サヤは、この時間帯になると必ず窓の側に立ち、窓から見える中庭の大きな黒い門を見つめている。  そして、ポツリとセフィリアに聞くのだ。  同じ質問を。  「はい。来ますよ。」 と、セフィリアはいつも笑顔で同じ答えを言う。  「嘘ついていいのに。」 と、サヤは少し寂しそうな瞳で、隣に来たセフィリアに言った。  「嘘つけません。」 と、セフィリアは言った。  「さあ、スープを召し上がって下さい。冷たくなったら、おいしくありませんから。」 と、セフィリアは小さなテーブルへと歩いていく。  ベッドの側にある小さなテーブルに、スープとスプーンが置かれていた。
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