第1章 “出逢い”

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 チュンチュン。  チュンチュン。  窓の外から聞こえる小鳥の鳴き声に、サヤは目を覚ました。  窓が開いている。  窓から入ってくる風が、白いレースのカーテンをなびかせ。  朝の香りが鼻孔をくすぐる。  涼しい風が、部屋の中を駆け巡る中。  「セフィリアったら。わたし、この赤いワンピースがいいと前から言っていたのに。」 と、お金持ちのお嬢様特有の不平を漏らす。  「失礼いたします。サヤ様。お目覚めになられましたか。」 と、ちょうどサヤが口をへの字に曲げていた時に、セフィリアが入ってきた。  「セフィリアちゃん?これは、違うわよね?何かの間違いじゃなくて?」 と、サヤは意地悪い笑みを浮かべながら聞いた。  「サヤ様。間違いではありません。この白いワンピースをお召しになるよう、旦那様からの言付けでございます。」 と、セフィリアはにっこりと微笑んで答えた。  「お父様が!?」 と、サヤは目を大きく開けて聞いた。  「はい。スコット様から、一週間前に。サヤ様がこの服を着るときに、お話しなさいと申されていましたから、何も話さずにいました。」 と、こちらも意地悪く笑って見せた。  「くぅ~!セフィリアちゃん!その笑顔は、わたしだけのものですのよ!」 と、甲高い声でサヤは怒る。  「申し訳ございません。」 と、セフィリアはにっこりと微笑んで謝った。  サヤはその場で地団太を踏む。  「まあまあ。朝から元気なこと。」 と、女性の声が聞こえた。  サヤはビクッとして、声のした方に目を向ける。  いつのまにか、サヤに似ている女性が立っていた。  「お…お母様!」 と、サヤがオロオロとした様子で、その場を歩き始める。  「まあ。この子ったら。はしたないわよ。」 と、女性は優しく言うと、ドレスの裾を持ち上げサヤの方へと歩いていく。
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