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会長の朝は遅い。
とんでもなく遅い。
生徒会長のくせに…。
今までは、学校が始まってから起きるような人間だった。
が、
やかましい程の着信音が部屋に鳴り響く。
どうやら、規制のものを使っているらしく、黒電話の音だ。
しかし、会長は気付いてもいない様子。
気持ち良さげな顔で眠っている。
電話の相手もそれをわかっているのか、着信音は鳴り止まない。
十分後、会長はノソッと起き上がり携帯を手に取った。
画面をしばらく眺める。
小百合かぁ…。
起きても、全く時間気にしない。
十分は、携帯をただ眺めていた。
その間、携帯は、鳴っては止まりを繰り返す。
ようやく出る気になったのか、通話ボタンを押した。
電話の相手の第一声は、
「まだ寝てるの?寝過ぎて死ぬよ…。」
相手も慣れているのか、特に気にした様子はない。
それに対し、反省の色すら見せない会長。
「寝過ぎて、死ねるなら本望です…。」
バカなことをおっしゃっています。
「起こしたからね。」
それだけ言って、電話は切れた。
「……行くかぁ~…。」
面倒くさそうな表情で、ゆっくりと用意を始めた。
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