8人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
虚しくなっていると駅に着いた。
並木通りを歩く。
今日は生憎の雨だけど、晴れの日は、結構綺麗なんだけどなぁ~。
…傘、忘れた…。
いつも通り用意したのが、間違いだった。
誰もいつも通りで傘なんか持たないもんな…。
通りで、俺の周りは空いてたわけだ。
で、結局、走る気もなく、ずぶ濡れで学校に到着。
授業は始まっているようだ。
俺は、そのまま教室に向かった。
扉を勢いよく開ける。
「ギリギリセーフ!!」
HRには、間に合っただろう?
だから、自信満々で叫んだ。
「アウトだ。…ったく、会長になったんだから、せめてもう少し早く来い。もう午前は終わって、今から自由講義だ。」
担任が冷ややかに告げた。
…とんだ誤算だったな…。
まさか、もう1時を過ぎていたとは…。
「早く席につけ。」
「はい、軍曹っ!!」
ビシッと敬礼を決めて席に着く。
誰も笑わない。
………。
「早く座れっ!!」
代わりに軍曹の声が響く。
あほ
隣の席の小百合が声を出さず、口だけ動かした。
俺は読唇術は使えないので、代わりに、
オカン
と、返しておいた。
自由講義
会長になった俺にとって、もはや無用のものだった。
『生徒会役員は、通常授業以外を免除する。』
これが学園のルールだから。
初めは喜んだ。
心底、喜んだ。
でも、今は後悔しかない。
とりあえず、寝ることにしよう。
俺が体を預けようとしたその時、
何者かが俺の顔を手で押さえた。
最初のコメントを投稿しよう!