序章

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「いってーーーーっ!!!!!!」 「あっはっはっはっはっ。いやぁ秦羅、相変わらずのナイスリアクションありがと~」 「ごめんね秦羅君、私はやめるように言ったんだけど………」 机に突っ伏している僕の背中を誤りながらさする少女とそんな僕を見て大笑いしている少年。 この二人こそが僕の心許せる三人の親友の内の二人で少年の方が九条貴道(くじょうたかみち)、龍桐家の分家の一つである九条家の次期当主。 少女の方は如月眞奈(きさらぎまな)といって僕の近所で小さい頃はよく遊んだりしていたくらいの仲なんだ。 二人共所謂幼馴染みっていうやつでお互いに家庭の事情を知ってるんだよね。 「ねぇ貴道、いつも朝の挨拶に背中を思っ切り叩くの止めてくれないかな………」 「なんでだよ。これが俺達式の挨拶だろ?」 「勝手に僕まで巻き込まないでくれないかな」 「そ、そうだよ。いつも痛い思いしてるのは秦羅君だよ」 「俺だけが悪いのかよ。納得いかねぇって」 「だけど、アタシにはアンタの方が比があると思うんだけど違うのかしら?」 「げっ……!?」 「あっ!?また言ったわね!!」 「ギャァーーー!!!!」 目の前で貴道がボコボコにされている光景を僕と眞奈は呆れた感じてみているんだけど、実はこれがいつもの事って言えば分かってもらえるよね。 ちなみに今貴道をのしたの彼女が僕の三人目の親友で貴道と同じく龍桐家の分家である由良遙(ゆらはるか)で次期当主。 遙は元々が男勝りな性格だから遙も前線に立って戦う立場にいる訳なんだけど、多分僕でも遙には勝てないと思う。 それくらい遙には遠慮ってものがないんだよね………。 「ハァ…ハァ…ハァ…ったくもう、何回言ったら分かんのよ!!」 「お、今日は水色ですか♪」 「………っ!!!!」 あ~ぁ、貴道の奴も相変わらずだね。 いつも遙に踏まれてる中で遙のスカートの中を覗くんだから。 遙もいつもの事なんだからスパッツとか何か見られないように履いてくればいいのに。
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