序章

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そんな事を考えていると担任の先生が入ってきたので僕はさっさと遙を縛っていた縄を解いて遙を立たせると自分の席に着いた。 その途中で「いつか絶対にあいつをアタシの手で葬ってやるわよ」なんて言ってたのは秘密にして置いた方が良いよね。 結局、それ以降は何事もなく学校が終わり、僕等四人は帰る準備をして帰路に着いた。 僕等四人は来る時間はバラバラだけど帰るときは小学校の頃から一緒なんだ。 昼間は依頼もあまり来ないから余計にゆっくり出来るのかもしれないね。 「そういえばさ。秦羅が竜を一人で討伐したってホントなの?」 また来たよこの話。 あまり言いたくはないんだけどなぁ………。 「あ、そういや家の親父がそんな事言ってた気がするな」 「そ、そんな大したことじゃないよ。傷ついてたし、何よりまだ幼かったみたいだから。寧ろ、少し可哀想だよ」 「それでもアンタ一人で倒したんでしょ?十分凄いわよ」 結局、帰る途中での話は全部それ。 僕が僕自身の口から言わなかったのはこうなる事が目に見えてたからからで、出来れば隠し通しておきたかったよ。 それに、朝出るときに聞いた話だと家に帰ったら僕が初めて竜を一人で討伐したお祝いするとか言ってたし、正直今日は一人にしててもらいたい気分なんだよね。 でも、僕は龍桐家当主の身。 嫌な事ばかりから目を背けていられるような立場じゃない。 もちろん、頭の中では分かってるよ。 でも、僕はまだ子供だ。 まだ、僕に当主の荷は重すぎるよ………。 「秦羅坊ちゃま、お帰りなさいませ。準備は整っております故、お早めにご準備をお願いしますぞ」 「うん、分かってるよじぃや。すぐに済ませてくるから」 あんまり乗り気じゃないけど、せっかく皆が開いてくれるんだから形だけでも出ておかないとね。 でも、今の僕の頭の中は本当にこのままで良いのだろうかという事で一杯だった。 ただ一方的に目の敵にして攻撃を仕掛けて倒すだけという今が本当に正しい事なのかと………。
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