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「うっわ……。また同じクラスかよ」
「あきないなぁ。オレもお前も」
入学式。
生徒玄関前に張り出されているクラス発表を二人は見ていた。
「俺は飽きた。」
無表情のまま淡々と言う。
彼が小林昌之。
「なんだよぉー」
少し膨れっ面の少年が、高橋輝。
二人は所謂幼なじみだ。
家が隣どうしだから、小さい頃からずっと一緒だった。
そしてクラスが別になったことがない。
二人が通っていた小学校は一学年3クラスだったので、それもないことはない。
小林に言わせれば「腐れ縁」だ。
長年連れ添った相棒の表情は基本常に無表情。
物言いが冷たいのも知り尽くしている高橋は、すぐににっと笑うと楽しそうに言った。
「いーじゃん!今年もよろしくな?」
小林は軽く目を閉じてふっと笑った。
二人は校舎に入って行った。
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