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静が覚えていたのは、レモンの香りの立ちこめる部屋で誰かに襲われいる夢だった。嫌がる自分に詰め寄ってこられるのは快感であった。
来週にはまた宮内がくる。そうだ、今度来たときには名刺を貰おう。名前を聞くのは不自然だが、名刺を貰うことは極自然な事のはずだ。
それまでに準備をしなくては。まず、服を買い、アクセサリーを買い、化粧品を買い、それからエステや美容室にも行こう。やることがいっぱいだ。
静は久しぶりに自分が女に戻った気がした。結婚してからは、家事のためだとか主婦だからとか言い訳してきたが、女はいつまでも女なのである。
こんな楽しいのは、学生時代以来かもしれない。急に高校時代の友達に会いたくなった。
あれやこれやとしてる内に 宮内がくる日が来た。
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