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静は十年振りくらいにワンピースを買っていた。以前の自分なら、決して買わなかったが思い切って購入した。使わないので、お金はあるのだ。
洗濯 掃除 着替え 化粧 全てを完璧にこなし、宮内を待った。2時10分前にチャイムが鳴った。
静は玄関をそっと開けた。そこにはいつもより少し綺麗なスーツを来た宮内が立っていた。いつもの笑顔がない。
静は宮内を家の中に入れた。
宮内は静を見た途端に驚いていた。静は香りと驚きを同時に確認できた喜びで一杯だった。
静は自分から切り出した。
静「あのー宮内さん名刺をいただけませんか?」
宮内「…」
静「またなにかあった時に連絡できますし…」
宮内は暗い顔をしている。
静は自分が早まってしまったと思い訂正しようとした。
静「いえ、心配なもんで無理には…」
宮内「森川さん、すみません。突然なんですが、僕今月で会社を辞めようと考えているんです」
静「え?」
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