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静は宮内だと確信した。インターフォンには出ずに、直接ドアを開けた。
そこには昨日と同じ服装の宮内が立っていた。昨日と同じ香りを漂わせて。
宮内は重そうな荷物を抱えて、笑顔で会釈した。
静は中に招き入れた。
宮内は静の変化に気づいたのか、一瞬反応したが、すぐにもとに戻った。
宮内「まだまだ暑いですね~。なんで営業はスーツなんですかねぇ?」
静「さぁ?やはり見た目が大切なのでは?信用できますし。お茶でも飲みますか?」
宮内「ははっ!僕はスーツ着てもだらしがないっすけどね。あっお茶頂きます」
宮内はお茶を飲み一息つくと、作業を始めた。
静はまた宮内を観察し始めた。この男はかなりだらしがない。スーツはいつも洗ってないのだろう。そのために香水を使っているのかもしれない。
しゃべり方も適当である。しかし、どこか憎めない。営業には適しているのかもしれない。
観察すれば、するほど夫とは正反対である。
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