厄介な彼

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「大柴、最近気が抜けているぞ。」 「いや…、これは祐クンのせい……」 事実を述べようとした奈津帆の言葉は彼によって掻き消された。 「もげちゃーん、こいつも頑張ってるから多目に見てやってよ。罰としてこのプリント何枚もするらしいからよ。」 そう言いながら祐クンは丁度、数学の授業で使っていたプリントをもげちゃんに差し出した。 皆には言っときますけど。あたし、一言もそんなこと言ってないからね。 「そうか、大柴。俺はお前を勘違いしていたよ。」 いやいや、もげちゃん。落ち着いてよ。 「あの、先生?」 「よし!大柴、放課後に俺のとこへ来い。プリントを用意しておく。住川、お前もするか?」 「いや、俺忙しいから。」 祐クンはあっさり断わり犠牲者はただ1人。 (何であたしばっかり~!!)
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