厄介な彼

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「中川さんってね……。」 どんな反応をするのか気になってあたしは言ってしまった。 「ああ?」 「祐クンのこと好きなんだよ?多分、祐クン以外は皆知ってるよ。」 「だから?」 奈津帆の考えを裏に祐矢はあっさりと答えた。 「あと。」 付け足しという感じで祐クンは言った。 「俺の反応を楽しむなんて100年早いから。」 鋭い………。 「たく、何年一緒にいると思ってんだよ。」 そう、あたし達は小学校からずっと一緒。 この学校でこんなに長い付き合いは祐クンだけ。 さっちゃんとは中学からだからね。 「ふぅ。」 今、あたしは数学のプリントをしている。 祐クンのせいですることになったあの数学プリントだ。 チラッと祐クンを見る。 下を向いて携帯をいじっている。 「祐クン、先に帰ってもいいよ?」 「何で?」 「へ…?」 「だから、何でかって聞いてんだよ。」 「いや…。暇そうだから。」 「そんなこと考えてる暇があるならさっさと終わらしてくんない?」 気をきかしたつもりだったのに、何だか攻められるはめになった。 祐クンって、ほんと何考えてんのか分からないよ。  
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