幼少期…

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僕は東京都大田区で産まれたんだけど、家の都合で何度か引っ越した。 小学校の頃は横浜に居たんだ。 父親はこの頃すごく荒れていて、毎日のように呑んで夜中に帰ってきては暴力を振るう。 人が寝ているのに、腹を蹴り込んできたり母親を殴ったりしていた。 普段はおとなしい性格だけど、酒が入ると虚勢を張り暴力を振るう。 小学生の僕の顔面を拳で殴るような父親だった。 大人になったら本気で殺すつもりでいた。 父親には明確な殺意を持っていたね。 母親は身体が弱かった。 若い頃に胃を3分の1切除していて内臓が弱い。 視力も悪くて片方の目が見えていなかった。 見える方の目も、眼鏡をかけても新聞の細かい文字が読めないくらいだった。 母親は優しかったが、父親が暴力を振るっている時に助けてはくれなかった。 弟が一人いたが、赤ん坊の頃から病弱で可愛がられていた。 とにかく幼少の頃は父親に殴られていた事ばかり思い出す。 僕も僕で、父親が暴力を振るっても、決して逃げなかった。 小学校高学年の頃には、自ら頬を差し出すような生意気なガキだった。 父親は余計に可愛くなかったと思うけど、子供にできる抵抗なんてそのくらいのもんだ。 父親はとても弱い人間だったんだと思う。 対して僕は、誰よりも本当の意味で強くなりたかった…
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