幼少期…

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友達は少なかった。 適当な浅い付き合いの仲間なんていらないと思っていた。 それでも、本当の心の内を明かすことができる相手はなかなか作れない。 小学校5年生の頃に一人だけ話せるヤツがいたのみ。 彼は僕を理解しようと努めてくれた。 下校の時によく話しながら帰宅したのを覚えている。 「お前は変わってるからなぁ。」と、口癖のように僕に向かって言っていた。     その友達も6年生になる時に転校して居なくなった。   また孤独になった…   帰宅するとテレビばかり観ていた。 ヒーローもののアニメが好きだっなぁ。 正義が必ず勝つから。 現実の世界はちがう。 悪いヤツは群れて襲いかかってくる。 人数がいる癖に物まで使うヤツもいる。 正々堂々と素手で闘っても、人数と武器には敵わない。 力のない正義は負けてしまうんだよ…嫌になる程知っていた。
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