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「おはよ!」
「おはよう」
いつも以上に嬉しそうに、彼女は僕に駆け寄ってきた。
そんな彼女に微笑みを返して、手を繋いで歩いていく。
そう、いつものように。
公園に着いたのは、昼を少し過ぎたくらいだった。
彼女が腕を振るって作ってきてくれた弁当を二人で食べながら、僕のこの感情はどんどんと抑えがたくなっていった。
しかし、そんなことは微塵も感じさせないように、いつものように振る舞った。
「このあと、どうするの?」
突然の彼女の言葉に、少し戸惑ったが
「じゃあさ、買い物行こうよ」
そう言って、彼女の手を引き、そのまま強引に買い物へと連れ出した。
少し不機嫌そうにふくれる彼女が、またたまらなく愛しくて。
だから、壊したくて。
夜が更け始めて、買い物を終えた僕らは、また公園に戻ってきていた。
此処は夜は人通りがなく、二人きりになるには丁度良すぎるくらいだった
あの感情が一層強く僕を襲う。
─早く
──ねぇ 早く
「今日は楽しかったね」
「あぁ」
理性を必死に働かせて感情を抑えていた僕には、最早生返事しか出来なかった。
─壊したい 僕の この手で
何気なく辺りに誰も居ないことを確認したあと、優しく、それでいて強く彼女を抱き締めた。
ただただ 彼女が愛しくて 愛しくて
「どうしたの?急に」
あの時のように照れながら彼女は言う。
だが、あの時のように彼女は逃げようとはしなかった。
彼女にはこの後、何が起こるかなど予想もつかないだろう
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