君の元へ

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君の元へ

      君の声が聞こえた その時のあたしはあの頃のままで 君を見つけたときは 充実感と満足感が胸を締めていた 孤独を愛した君が恋しかった   しかし君はまた消えていった あたしを見るのと同時に 綺麗な花となって灰となって 散っていってしまったのです あたしが壊す前に逝ってしまった君をいとおしく想った   君を失ったあたしは無気力で 何も手につかずに 何も出来ずに 泪も流さず過去を悔やんだ 充実や満足に替わって 胸を締めたのは虚無感でした   一筋の泪を流した時 あたしも花となり灰となって 散っていくことができました 君の元へと散りゆけた 君を探して地の果てへ あたしをさらって風が笑いました このまま永久に   君の元へ      
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