3434人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
斗真は少しの間、手を顎に置いて考える仕草をしながら不意に洗面所の壁に掛けていた時計を見る。
現在の時刻07時48分 。
昨日、家をいつ出るか話し合って決めた時刻は09時00分。
(ネムの荷物は意外と少なかったし……朝食まで寝させてあげても大丈夫だね)
そう思った斗真は顔を真っ赤にして寝ているネムを抱きかかえる。俗に言うお姫様抱っこだ。
(それにしてもネムは軽いな~。ちゃんとご飯食べてる筈なんだけど??)
斗真は不思議に思いながらもネムを自分の寝室へと運んでいく。言っておくが斗真に下心は微塵も無い事をここに宣言しておこう。
「よいしょ」
自分の寝室にたどり着いた斗真は優しくベッドの上にネムを寝かす。ネムの顔はもう真っ赤では無くなり安らかに眠っていた。そんなネムを見て斗真はクスリと笑う。
「さて朝食、朝食」
そう言って寝室から出て台所に向かう斗真。この家では‘朝早く起きた者が料理を作る’と言うルールがある。大抵は斗真が一番最初に起きるので朝食は斗真が作るのである。
最初のコメントを投稿しよう!