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「ネム~何処~?」
斗真が森の中に入ってから数十分が経とうとしていた。森の中は光が余り通らないので辺りは数m先の草花がボンヤリとしか見えないぐらい薄暗くなっていた。
(何処まで行ったんだろ?確かおばさんに頼まれて狩りに行った筈だけど……)
そう考えていると、すぐ右の草むらでガサガサと何かが動く音がした。
「ネム?」
斗真は音がした草むらに目を向けた。そしてガサガサとさっきよりも大きな音と共にニmはありそうな黒い熊が顔を見せた。
「……[ビッグベア]?」
[ビッグベア]と言うのはこの世界に生息する魔物で、大きな体と巨大な爪、そして黒い体毛が特徴。気性は荒く他の生き物を見つけると容赦なく襲う生き物である。
(でも様子が変だな?)
しかし[ビッグベア]は一向に襲っては来ない。それ以前に目に生気がやどっていないし、よく見てみると[ビッグベア]は何かに背負われているような体制だった。
斗真がそう考えていると急に草むらから[ビッグベア]をおぶった状態で150cmぐらいの髑髏の仮面を被り、黒いコートを着た銀髪の子供が草を掻き分けて出て来た。
そしてその左手には大小様々な骨で組み立てられている大鎌を持っていた。
「おぉ!また大きな獲物とったね。ネム」
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