村人、学校へ行く。

5/9
3434人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
(……そう言えば今日がこの家に居られる最後の朝なんだよね……) 斗真は台所に行く途中にふとそう思い立ち止まる。自然に今までの思い出が少しずつ思いだされる。 行く場所が無くネムと一緒に森の中をウロウロしていると、偶然おばさんと会い進められるがままに初めてこの家に来た…… 異常気象で大規模な暴風と大雨が来た時は家が飛ばされないかネムと一緒にドキドキした…… 森の中で犬型の魔物、フルファングが大量発生した時に食卓でこれからの対象法を話し合った…… 多くの思い出が斗真の頭の中を駆け巡る。 (……色んな事があったな……) そんな感じで感慨(かんがい)にふけっていた斗真であったがすぐに自分が今すべき事を思い出す。 「あ!!朝食!!」 そう叫ぶと大急ぎで台所に向かう。急いだおかげでものの数秒で台所についた。 ちなみにこの家は台所と食卓は離れてはいない。 現代で言うとダイニングキッチンである。 「え~と、いつもどうりでいいや!」 慌てながらそう叫ぶとすぐに台所の隅に置いてあるクールボックスと呼ばれる大きな箱から卵とベーコンを出してフライパンで焼いていく。 これは食料を冷凍保存するために必要な物で一家に一台はあるらしい。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!