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斗真はものの数分で人数分のハムエッグを焼くと用意していた皿にのせる。しかしその見栄えは数分で焼いたとは思えないくらい美味しそうに見える。
「あとは、‘あの子’の分だけだね」
するとまたクールボックスを開けて二つの卵とベーコンをだして焼こうとする。
だが焼こうとしたその時、眠そうな欠伸(あくび)の声とゆっくりとした足音が聞こえた。どうやら台所に近づいて来ているらしい。
斗真は顔だけを後ろに向けるとほぼ同じタイミングでおじさんが頭を掻きながら眠そうに目をパチパチさせて台所に入ってきた。
「おじさん、おはようございます」
「おうおう、おはようさん。飯は?」
「もう少ししたら持って行くんで座って待っていて下さい」
「ふぁ~了解~」
眠そうにそう言うとおじさんは朧気(おぼろげ)な足取りでテーブルへと向かった。
行ったのを確認した斗真はすぐに二つのハムエッグを作ると下の戸棚からコーヒー豆を取り出して慣れた手つきでコーヒーを作っていく。
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