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斗真はその悲鳴を聞いて心の中で合掌しながらさっさと料理を作っていく。
数分後……
四人分の皿の上には美味しそうなハムエッグと綺麗に焼かれたトーストが乗せられていた。
そして何故か大きめの皿がその横に置かれ、その上にも三枚ほどハムエッグが乗せられている。
「……むぅ、斗真…手伝う」
丁度、運ぼうて思った矢先にネムが目をこすりながらフラフラと台所に入ってきた。斗真はそれを見て微笑む。
「ありがとうねネム。じゃあ一枚だけ持って貰おうかな」
斗真は微笑みながらネムに一枚だけお皿を渡す。
しかしネムは一枚を右手で持ち空いた左手を斗真に小さく突き出す。
「……ダメ、二枚…持つ」
そう言ってもう一枚とせがんでくる。その光景はまるで小動物がエサをせがんで来るようでとても可愛いらしい。
しかし斗真はもう一枚の皿をネムに渡さず、優しく頭を撫でる。
「ネム、急に二枚も運んだら危ないよ。一枚一枚丁寧にしなきゃ」
頭を撫でながら優しい声で斗真が注意するとネムはしょんぼりして顔を俯ける。
「う~ん……じゃあその一枚を運んでくれたら後からもう一枚運ばせてあげるよ」
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