村人、友と別れる

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お皿を持った斗真は急いで玄関の扉を開けて靴をはき外に出る。 そして息を少し吸って大きな声で叫んだ。 「お~い!!‘ミカヅキ’~!!!!」 そう叫ぶと周りの森がざわざわと揺れる。 叫んで何分かすると斗真から見て右の草むらがガサガサと揺れる。 「出てきなよ‘ミカヅキ’」 誰かを呼ぶようにそう言うと草むらから大きな大蛇があらわれた。長さは六m程で幅は八十cm、体色は綺麗な翡翠色でその瞳は優しそうな青色をしていた。そして額には三日月型のルビーが埋め込まれていた。 実はこの蛇は[ラジュマラ]と言うれっきとした蛇型の魔物である。 どれくらい強いと言うと[ビッグベア]はBランクなのだがそれを十体、[ラジュマラ]は三秒あれば瞬殺する事が出来る。 [ラジュマラ]はある地方によっては神様と崇めている地方もあり、一説では[ラジュマラ]は神様の使いと言われている。 なのでこの[ラジュマラ]を退治するとなればWXランクの魔術師が必要となってくる。 だが気性は荒く無いし人前には滅多な事が無いかぎり姿を見せないのでそうそう退治などされない。 たまにその鱗が目的で捕獲するよう大富豪が依頼をするらしいが誰も受けようとはしないのが現状である。
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