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コレを食べたら斗真がいなくなってしまうと思っているのだろうかミカヅキは料理を口にするのを躊躇している。
そんなミカヅキを見た斗真は頭をそっと撫でてやる。
「大丈夫だよミカヅキ。コレを食べてもまだ僕はここにいるから……」
斗真はミカヅキにそう優しく声をかける。ミカヅキはそれを聞いて分かったのかゆっくり、ゆっくりと食べていく。
「美味しいかい?」
斗真の問いに食べるのを止めて何度も頷くミカヅキ。本当に美味しいのか表情が笑っているように見えた。
そのままミカヅキは料理を完食すると斗真の方をジッと見つめた。
「どうしたの?まだ欲しかった?」
するとミカヅキは首を横にブンブンと振って頭を差し出す。撫でて欲しいのだろう。斗真は母のような優しい笑みで頭を撫でてあげた。
そんな時、急に玄関の扉が開いておじさんが出てきた。
「お~い、斗真もうすぐ行くぞ~」
おじさんはそう言うとまた家に戻っていった。斗真はミカヅキの頭から名残惜しいようにミカヅキの頭から手を放した。
そしてさよならを告げるようにミカヅキに手を振ろうとした時、またまたおじさんが玄関から出てきた。
「あ、そこの[ラジュマラ]様も連れてっていいからな~」
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