始まりの炎

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奴の前足と呼ぶべき水の塊が少年を捉えると、それに応じて少年は、後ろへと体を反らし回避した。 が、更に奴の長い首が少年の胴体を捉え、空中に放り投げた。 普通の人間なら成す術もなく地面に叩きつけられる所だが、少年は空中で素早く体を捻り、受け身を取った。 「ちっ、やっぱり剣は効かねえか、面倒だぜ」 剣を地面に突き立て、それを支えとして直ぐ様立ち上がる少年に直ぐに次の攻撃が襲い掛かる。 ノデゴンスライムが一度首を後ろに引いた。 (まずい!) とっさにそう感じた少年は、横に転がった。 バァン 一つの銃声が響くと、奴の首が標的を反れた と、同時に頭部に大きな穴が空いた と言っても相手は無機質な液体状の体を持つものであるため、頭部が破損した所で また直ぐに復活するだろう しかし、奴の様子が変だ 頭部に空いた大きな穴は次の瞬間にも元には戻らず、奴の動きはピタリと止まった。 再生しない……いや 正確には、再生しようにも撃たれた部分に残った光熱が水分を蒸発させ、それが再生を食い止めていた。 少女の構えた銃口には煙が上がり、怯んだ奴の姿を見て、少女は、首をコクンと動かし少年に合図を送った。
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