始まりの炎

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やがて、炎のような輝きが、紅蓮の剣に収まると、真紅の瞳となった少年は、後退したノデゴンスライムを追い掛け、高く跳躍した。 「こいつが! 俺の家の穴の分だ!!」 奴の背中に紅蓮の剣が突き刺さると、熱がノデゴンスライムの液体状の体を蒸発させていく 「地爆陣!(チバクジン)」 紅蓮の剣から凄まじいエネルギーが発せられると、ノデゴンスライムは一瞬で蒸発した。 奴の体を貫通した剣が、地面に突き刺さると、少年の真紅の眼は、スウッと元の茶色の瞳に戻った。 凄まじい爆風は、あの巨大なモンスターを一瞬で消し去った。 しかし、その絶大な威力を受けたのはモンスターだけではなかった。 息を整える少年の目の前には、無惨な姿に成り果てた…… ……我が家だった 【小屋全壊……再起不能】 「お、俺の家が~!」 奴を追い掛けてる内に我が家の方まで戻っていた事に、少年は気付いていなかったのだ。 「……見つけた、エレメント」 展開に置いていかれた少女が小さく呟くと、少年の方へ駆け寄った。 とりあえず剣を鞘に収め、頭を抱える少年からは、既に先程の威圧感も力も感じなかった。
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