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「そうだ……あんた何もんだ?」
少女の方に向き直った少年が、そう訪ねると、少女は首を傾げた。
「名前とかはねえのか? 俺の名はマグナってんだ」
そう言ってマグナと名乗る少年はニカッと笑うと、少女は、少し頬を紅く染め、視線を反らし、口を開いた。
「名前は……アルナ」
少女は、ボソッと言ったつもりだったが、マグナにはハッキリと聞こえたらしい
「そっか、アルナか……何だ、その大丈夫か?」
マグナが、アルナと名乗る少女にかける言葉をしばし迷った後、直ぐにそう言った。
アルナは、何故か視線を合わせようとしない……
不思議に思ったマグナは彼女の顔を覗き込んだ。
すると、彼女の火照った顔が更に赤くなり直ぐに視線を反らしてしまった。
「んぁ? まあいいや、さっきのアイツはなんだ? んでなんで襲われてたんだ?」
マグナが率直な疑問をアルナに問うが、アルナは首を傾げるばかりである。
「もしかして……お前も記憶ねえのか?」
マグナのその問いにアルナは小さく頷くも、やはり視線は合わせようとしない
「あ、あの……あなたエレメ……」
グゥー
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