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少女の引き起こした爆発的なエネルギーの衝撃波が、カプセルのみならず研究所の機械にまで影響が及び
それがこの停電を引き起こした訳だ。
そんな事とはつゆしらず、少女は、暗闇の中でゆっくりと体を起こし、濡れた足をヒタヒタと言わせ歩き始めた。
「どこだ!? こっちか?」
若い男の声が廊下に響く
「駄目だ、暗くてなんにも見えねえ!」
別の男の声が、先の声に答える
声の反響から察するに少女とはまだ距離があるようだ。
少女は、灯りもなく道も知らないはずだが、まるで手慣れた様子で黙々とどこかへ進んで行く
暗い上に広い研究所で、慌てながら部屋へと向かう男たちをよそに、少女はどこかへとひたすら進んでいく
やがて、だいぶ暗闇を歩いた所で、少女はピタリと歩くのを止めた。
暗くて良く見えていないが、少女の目にはぼんやりとドアノブが映った。
ガチャリと音を立て、ドアノブを小さくひねり中へと入ると、まるで自分の部屋のように明かりのつかない部屋を進んだ。
何かを頼りに少女は、クローゼットを見つけると、ためらいも無く開け、中にある何かを掴んだ。
クローゼットの中から何かをいくつか取り出すと、暗闇の中でそれを身に付け始めた。
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