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スルスル シュッシュッ
暗闇に響く衣服と肌が擦れる音
「あ……これは違う」
全然見えてないせいか、ズボンに手を通してみてようやくそれが、ズボンである事に気付いたようだ。
しばらく見えない衣服と奮闘した末、少女は手探りだけで衣服を着終わっていた。
次に少女は迷うことなく机にたどり着くと、引き出しを開け、中にある何かを取りだしホルスターを腰に巻いてそれを収めた。
更に、壁にかかっていた何かを外すと、それもしっかりと背中に固定した。
暗闇の中で準備を済ませた少女は、部屋を出た。
途端(とたん)に少女の視界が明るくなる
長時間の暗闇からの突然の開放に目が追い付かず、少女は反射的に顔を手で覆った。
「いたぞ! こっちだ」
先程の二人とは更に別の声の男が、少女の姿を確認すると、そう叫んだ。
着替えに手間取ったせいか、研究所に予想以上の早さで電気が戻った。
同時に、少女の姿もハッキリと映し出されてしまった訳だ。
シーツで拭く事をしなかったせいか、綺麗なブロンドの髪は乱れ、頬からは水が滴り、白いシャツは濡れてしまって下手をすれば胸が透けそうな程
青いジーンズも心なしか湿って見える。
背中には、赤い宝石の様な刃のついた槍、腰には、黒光りする銃がきちんとホルスターに収まっている
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