航跡14:追憶

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翌日の新聞 潜水艦発射弾道ミサイル迎撃成功!!しかし・・・ 昨日午後3時頃、護衛艦「いぶき」を旗艦とする第8護衛隊の4隻は、中国海軍所属の弾道ミサイル戦略原潜「晋」級と交戦。 その数分前から既に、海自潜水艦「あらしお」が「晋」級と交戦状態になっていた。 「晋」級は一時は海自哨戒ヘリの投下したソノブイに探知されたものの姿をくらまし、対艦ミサイルを放ち第8護衛隊所属の護衛艦「いかづち」を撃沈した。 その後、「晋」はJL-2と言われる弾道ミサイルを5発発射。同時に「いぶき」に向けYJ-8対艦ミサイルを4発発射した。 イージス艦と言えど同時対応能力は限られているため、「いぶき」艦長はSM-3による弾道ミサイル撃墜を決断。 見事これを撃墜するも、対艦ミサイルを迎撃しきれず、2発を被弾。 さらに「晋」級は「いぶき」に向け魚雷6本を発射。 「いぶき」は5本の迎撃に成功するも、近接防御火器の弾切れ、主砲のオーバーヒート等が相次ぎ1本を被弾。 懸命な復旧作業が施されるも、復旧不能と判断し、「いぶき」艦長は総員退艦を下命した。 総員退艦完了後、艦は大爆発を起こし沈没した。 なお、「晋」級は「いぶき」沈没の直前、「あらしお」の放った魚雷により撃沈された。 「いぶき」生存者は、350名中329名。殉職者21名と発表されている。 山本防衛相、海上幕僚長等は、殉職者の特進を発表している。 その後 「晋」級沈没後、中国海軍は核の抑止力を失わないために弾道ミサイル搭載潜水艦の出港は禁止された。 東シナ海から対馬海峡にかけては米原潜及び機動部隊による封鎖線が築かれており、中国海軍は動きを封じられた。 戦略原潜沈没の報を受け、北朝鮮兵士の士気は目に見えるように下がり始めた。 逆に米韓軍、及び自衛隊の士気は上がり、38度線で膠着状態になっていた戦線は崩壊を始めた。 北朝鮮海軍の動きは、先に敷設された機雷により完全に封じられている。 中国当局の行動は早く、陸上では早々と戦線からの撤退を始め、日米韓との交渉の用意を始めた。 12月10日 後ろ盾を失った北朝鮮政府は、先程の戦線崩壊後凄まじい勢いで首都平壌の目と鼻の先まで迫っていた米韓軍、そして自衛隊に対応しきれなくなり、遂に降伏。 これにより日米韓は戦争の集結を宣言した。
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