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つかの間の休息を取る乗員達に、阿部はスピーカーで語った。
「諸君の活躍のおかげで北朝鮮の弾道ミサイルを全て撃墜することができた。感謝する。しかし北朝鮮からミサイルが飛んで来るということはもう日本海は安全な海ではない!引き続き本艦は現海域に留まり警戒を続行する。当直は3直、非番の者は体を休めておくように。以上。」
2隻は日本海を遊弋しながら哨戒を継続した。翌日、国境付近で艦を停止させた。
「ちょうかい」は尖閣諸島へ向かう海保の巡視船を護衛せよとの命令で佐世保に補給に向かった。
阿部は仮眠をとった後、副長と今後どうするかを話し、艦橋に上がった。
哨戒の邪魔をしないよう静かに上がったつもりだったが、艦橋を出ようとした海士に気付かれてしまった。
「艦長上がられまーーす!!」
双眼鏡を握っていた者も手を止め、航海要員が一斉に敬礼した。阿部はやや苦笑いしながら答礼し、
「邪魔してすまなかった。しっかり頼むよ。」
と、言い敬礼した手を下ろした。
「航海長、変わりは無いか?」
「はっ、今の所は何も」
「そうか、ご苦労。引き続き頼む。」
「はっ!」
そんな会話を交わした直後だった。 「ぎょ・・・魚雷音聴知!方位210度、距離5マイル、雷数4!アクティブ・ソナーホーミングです!!」
阿部は反射的にマイクを取り全艦放送のスイッチを入れた。
「主機(もとき)始動、全力即時待機となせ!!総員戦闘配置、対潜戦闘用ー意!!」
警報ブザーが鳴り、仮眠をとっていた者も飛び起きた。
合計13万馬力のガスタービンエンジンが始動し、ジェット機のそれに似たエンジン音を響かせる。
「航海長、主機始動、異常ありません!」
「軸ブレーキ脱!最大戦速!!」
ブレーキを切り、クラッチを入れた直後、凄まじい勢いでスクリューが回転し、30ノットまで一気に加速する。
「迎撃用意!CIWS、主砲、撃ち方用意!」
「魚雷3時の方向800!CIWS、主砲、自動管制射撃用意!撃ち方用ー意良し!!」
前後部のCIWSと主砲が個々の目標を照準する。
「撃ち方始め!!」
「撃ち方始め!用ー意、テッ!!」
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